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  U.栄養素  
ここでは栄養医学を行うのに必要な栄養素の説明をしています。
身体を健康に保つ為には適切な栄養を適度にとることが必要となります。

  1.タン白質
  2.ビタミン      A.脂溶性ビタミン  B.水溶性ビタミン 
  3.ミネラル
  4.その他の栄養素
  1.タン白質  
  a.働き  
  身体の骨格や筋肉、皮膚、髪、内臓などあらゆる組織を構成している基本的栄養素です。体内の代謝や機能を調節するホルモンの酵素、神経伝達物質もタン白質でできていて、免疫反応に必要な抗体の材料でもあります。身体に大きなストレスが加わると、骨格筋が崩壊し大量のグルタミンが放出されます。放出されたグルタミンは腸粘膜細胞のエネルギー源となり腸管を保護する機能維持、また腸の粘膜細胞や免疫担当細胞のエネルギー源となり免疫能を高めることによって、生体防御能を維持しています。また、酵素として消化や物質代謝に関与し、ホルモンや免疫抗体、血液凝固、酸素運搬にもはたらきます。DNAが傷つき、タン白質合成が障害されると、細胞機能が不完全となり、早い老化や発ガンの原因にもなり得ます。体内ではアルブミンとしてアミノ酸を貯え、安定したエネルギーの供給源となり、低血糖症状を予防することができます。ストレス時には、分泌されるホルモンの影響により、通常の5−6倍のタン白質が消耗されといわれます。その他、運動や感染症、外傷によってもタン白質の必要量は増加します。体タン白を崩壊させないためには、タン白質の安定補給が必要です。
 
  b.欠乏症  
  @ 一般症状:疲れやすい、元気がない、体力低下、顔色が悪い、貧血、冷え性、老化進行
A 皮膚症状:肌荒れ、肌のカサカサ、脱毛、シワの増加
B 精神症状:やる気がでない、うつ、無気力、脳機能低下
C 胃腸症状:胃腸が弱る、消化不良、便秘、下痢
D その他:生理不順、傷の治りが悪い、むくみ、免疫力の低下、発育が遅れる
 
  2.ビタミン  
  A.脂溶性ビタミン  
  (1)ビタミンA  
 

a.働き

 
  細胞の分化・増殖を調節しており、皮膚や粘膜などの上皮細胞の分化促進と機能維持に関与します。皮膚の異常では、乾燥肌やニキビ、アトピー性皮膚炎などが起こりますし、粘膜上皮機能が低下すると、粘膜が乾燥しやすくなり、小腸での吸収能の低下や生殖機能の低下が起こります。口腔や鼻、喉粘膜からはバイ菌が侵入しやすくなり、風邪を引きやすくなります。

神経系の分化・形成に関与することから、不足すると成長が止まったり、体重の減少がみられます。甲状腺亢進症や感染症、外傷疾患ではビタミンAの消費量が増大します。

野菜などに含まれるカロテノイドは体内で必要に応じて体内でビタミンAに変換されますが、カロテノイドのままでも抗酸化作用、活性酸素消去機能を示します。また、がん予防作用や動脈硬化、虚血性心疾患のリスクを軽減させる作用があります。

 
 

b.欠乏症

 
  @ 一般症状:粘膜が弱り、風邪を引き易く疲れやすい
A 目の症状:夜盲症、暗順応低下、まぶしい、眼球乾燥症
B 皮膚症状:皮膚乾燥、角化、鳥肌、吹出物、爪が脆く、脱毛しやすい
C 口の症状:歯茎、歯が弱る、味覚・嗅覚が衰える
D 胃腸症状:食欲不振、胃腸粘膜が弱る、慢性下痢
E 神経症状:イライラ、無気力、神経過敏、不眠
F その他:生殖機能低下、不妊、アレルギーになりやすい
 
 

c.臨床への応用

 
  ニキビ、アトピー性皮膚炎、角化症などに臨床応用されています。皮膚の肥厚やしわの改善に有効であり、コラーゲンの合成を促進することから欧米では慢性関節リウマチの治療に積極的に用いられています。細胞の分化・増殖を高め、交感神経系の応答を正常化する機能を持つため、がん患者の放射線療法や化学療法による身体へのダメージを軽減する作用があります。細胞の正常化による貧血の改善や粘膜上皮機能改善による十二指腸潰瘍の予防にも有効です。  
  (2)ビタミンE  
  a.働き  
  抗酸化作用、免疫力増強作用、血小板凝集抑制作用、脂質代謝改善作用などが認められています。酸素分圧の高いところで有効にはたらくため、赤血球や網膜、呼吸器系に多く存在し、不飽和脂肪酸の過酸化を抑制しています。特に血管内で顕著にはたらき、血液をサラサラにして血流をスムーズにしてくれます。身体が酸化をすると体内では過酸化脂質が増加・蓄積されて身体は老化し、動脈硬化や心筋梗塞を引き起こします。そのため、体内でのビタミンE濃度を高めておけば老化が抑制されるのではないかと考えられています。特に老化によって起こりやすい疾患の予防に期待が寄せられています。また、毛細血管の拡張や新陳代謝を高める作用もあります。血液が流れ易くなると、肩こりや冷え性などの血行不良による症状を緩和しますし、新陳代謝が良くなると肌のトラブル解決につながります。また、脳下垂体にはたらきかけてホルモン分泌を促すので、月経前症候群や生理通、更年期症状の軽減にも寄与しています。  
 

b.欠乏症

 
  @ 一般症状:
A 皮膚症状:老化、しみ、そばかす、
B 神経症状:イライラ、うつ状態、不眠、集中力低下
C 循環器症状:肩こり、頭痛、関節痛、腰痛、
D その他:赤血球の破壊、生殖機能低下、性衝動低下、筋肉の退行変性、生活習慣病促進
 
 

c.臨床への応用

 
  抗酸化酵素で対処できなかった活性酸素を捕まえ、身体を酸化ストレスから防御しています。そのため、活性酸素が関係していると考えられる多くの疾患、特に炎症性疾患に対して有効と言われています。また、糖尿病の第一段階である血液の糖化を抑制するので、糖尿病の予後を大きく左右する血管合併症を抑制することができます。最近ではアルツハイマーの進行を抑える研究が進められています。  
 

B.水溶性ビタミン

 
  身体の中では、あらゆる種類の酵素反応を助ける補酵素として作用しています。人の身体は絶えず生まれ変わり、その代謝は複雑な流通網のようなものです。そのため、1ヶ所でも支障が生じると、その障害が身体にとって重大な病気を引き起こすこともあります。  
 

(1)ビタミンB1

 
 

a.働き

 
  糖質のエネルギー産生に必要不可欠で、血糖値の維持に関与しています。糖代謝の重要点に位置し、要となる酵素です。糖代謝では他の栄養素代謝よりも多くのビタミンB1が必要となるので、糖の過剰摂取ではビタミンB1の消費量が多くなります。また、頭を使った後やストレスを受けるとビタミンB1は尿中に排泄されやすくなります。そのため、脳の貯蔵分が利用され、脳ではビタミンB1欠乏状態となり、神経機能が障害されます。

運動や長時間目を使ったり、風邪を引いたりすると身体の中ではたくさんのエネルギーが消費されるので、ビタミンB1もたくさん必要になります。欠乏状態では代謝が滞りエネルギーを産生することができないため、疲労物質である乳酸が蓄積されて疲れやすくなります。身体の症状よりも心の症状は先に現れるためイライラや気分が落ち着かなくなる事もあります。

 
 

b.欠乏症

 
  @ 脚気、ウェルニッケ脳症が代表的
A 一般症状:だるい、疲れやすい、運動による動悸・息切れ、手足のほてり、しびれ感、下肢のむくみ、肩こり、頭痛、筋肉痛
B 精神症状:神経過敏、集中力低下、忘れっぽい、落ち着かない、不安、興奮しやすい
C 胃腸症状:食欲不振、吐気、便秘
D 心臓症状:拡張期血圧低下、遅脈、心臓肥大、心拍出量増大
 
 

c.臨床への応用

 
  アルツハイマー痴呆症においては、高度のビタミンB1欠乏状態であることが示されており、発症の抑制や改善にはビタミンB1の補給が望ましいとされています。また、糖尿病患者の半数以上が明らかなビタミンB1欠乏の状態であることから、糖尿病性神経症の発症に関与していると思われます。

白血球数が急激に増加する感染症、特に発熱などのエネルギーを消耗する疾患に対しては補給が必要となります。

 
  (2)ビタミンB2  
  a.働き  
  脂質をエネルギーに変える時に必要です。酸化還元酵素の補酵素としてはたらき、生体内の多くの酸化反応、物質の代謝、薬物の代謝に関与します。コレステロール、胆汁酸、ステロイドホルモン、ビタミンDなどの合成過程における水酸化反応に関与しています。この過程は薬物代謝過程でも重要で、脂溶性の異物を水酸化することにより、身体から排泄され易くします。甲状腺ホルモンの合成や成長ホルモンの生合成に深く関与しています。また、皮膚を正常に保つ作用があり、肌や髪、爪の発育を助けます。  
  b.欠乏症  
  @ 目の症状:光がまぶしい、目が疲れる、痒い、痛む、霞む、灼熱感、充血
A 口唇症状:舌炎、口角炎、口内炎、痛む、唇が赤くはれる、灼熱感
B 皮膚症状:日光に敏感
C 一般症状:だるい、疲れやすい、貧血、老化、肝機能低下、成長がにぶる、過酸化脂質増加
 
  c.臨床への応用  
  食道がんの危険が高い人たちへのビタミンB2の投与が有効です。脂質代謝改善、強い差明に充血、かゆみを伴う眼症状や薬剤服用時はビタミンB2補給が望ましいでしょう。  
  (3)ナイアシン  
  a.働き  
  糖質や脂質をエネルギーに変えるときに必要です。体内でNADという物質になり、補酵素として働きます。アルコールを飲むと、頭痛や吐気など不快な症状の原因となるアセトアルデヒドという物質が作り出されます。この物質を分解する為にもナイアシンが必要で、アルコール摂取量の多い人はナイアシンの消費量も多くなります。肝臓や腎臓の機能低下が見られるときにはナイアシンは活性化されません。ホルモンなどの分泌や情報伝達過程で、細胞外から刺激を受け反応を起こさせるセカンドメッセンジャーとしてはたらきます。

エネルギー代謝系に多きく関わり代謝が増大すると需要も増します。多くの食品に含まれていますが、砂糖などもともと含有量の少ないものばかり食べていると不足してしまいます。

 
  b.欠乏症  
  @ 皮膚症状:ペラグラ皮膚炎、赤く熱く、痒い、水泡、ひび割れ、鱗状にはがれる
A 胃腸症状:口内炎、口臭、食欲不振、消化吸収障害、下痢
B 神経症状:イライラ、幻覚、うつ、興奮、不眠、不安、眩暈、忘れっぽい、疑い深い
C その他:インスリン合成低下、春先に症状が起こる
 
  c.臨床への応用  
  大量投与すると血清コレステロールや中性脂肪を低下させる作用があり、医薬品としても応用されています。脂肪細胞における脂肪分解酵素を抑制することによって、血液中の遊離脂肪酸濃度を抑制する事ができます。また、肝臓での悪玉コレステロールの合成や再利用を低下させるので高コレステロール改善効果や動脈硬化の抑制に有効と考えられています。また、血管拡張作用があるので、心筋梗塞や脳梗塞の予後の改善、締め付けられるような頭痛に効果的です。ナイアシンはセロトニンを作る材料になるため、アメリカでは精神疾患やうつ病の改善に使われるのが一般的です。  
  (4)パントテン酸  
  a.働き  
  CoAやACPの構成成分として、これらを補酵素として必要とする酵素反応に大きく関わっています。特に脂質代謝を中心に機能しています。副腎の機能を助け、副腎皮質ホルモンの合成を促すため、血糖値を上昇させて抗ストレス作用を示します。また、神経伝脱物質の生合成にも関与しています。

不足すると、細胞内のCoAの濃度が低下し、エネルギー代謝に異常が起こります。さらに神経伝達物質の低下やコレステロールの代謝低下が起こり、性ホルモンの合成にも影響してきます。腸内細菌によっても合成されるため、欠乏することは少ないと考えられます。

 
  b.欠乏症  
  @ 精神症状:怒りっぽい、イライラ、神経質、無気力、すぐ気分が変わる、不眠
A 胃腸症状:食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、胃腸が弱る、潰瘍、胃下垂
B 一般症状:だるい、疲れやすい、ストレスに弱い、血圧低下、頭痛、頻脈、筋力低下、
  手足のしびれ
 
  c.臨床への応用  
  ストレスがあると副腎皮質ホルモンが分泌され、適応しようとします。その時にパントテン酸の需要量が亢進するので、ビタミンCやEに加えてパントテン酸の補給がすすめられます。その他、乾性皮膚への治療としての意義が認められています。  
  (5)ビタミンB6  
  a.働き  
  アミノ基転移酵素、特にGOT、GPTの補酵素としてなじみの深いビタミンで、これら酵素の血中遊離量を測定することでいろいろな疾患の診断や病態を予測できます。

食べ物のタン白質を分解し、身体のタンパク合成に必要な補酵素です。また、タン白質からエネルギーを作るためにも必要不可欠です。神経伝達物質の合成に関与し、セロトニンやドーパミン、アドレナリンなど重要な神経伝達物質の合成を促進する作用があります。また、ホルモン作用の調節や免疫機構の維持、脂質の代謝、赤血球合成にも関わっています。そのためアレルギーの発症にも深く関わっていると考えられています。

 
  b.欠乏症  
  @ 皮膚症状:脂漏性の皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、脱毛、フケ、にきび
A 精神症状:イライラ、神経過敏、不眠、音に敏感、学習が遅れる
B 手足症状:手足が震える、しびれる、つれる、痙攣する
C 一般症状:だるい、疲れやすい、吐気、食欲不振、貧血、口内炎、唇荒れ
D その他:免疫力の低下、むくみ、アレルギー、肝臓不調
 
  c.臨床への応用  
  欠乏による神経障害は古くから知られており、治療への応用が行われています。末消神経炎や月経前症候群の治療として有効という報告もあります。

また、虫歯抑制作用があり、妊娠中の虫歯の予防に積極的に応用されている。

 
  (6)ビタミンB12  
  a.働き  
  ヘモグロビンの合成に関わり、葉酸と協力して正常な赤血球を作っています。赤血球の生成に関する代謝を円滑にすることで貧血の予防に役立ちます。神経機能に多く存在し、神経機能の維持に重要なはたらきを持っています。また、欠乏すると、リン脂質、タン白質、DNA、神経伝達物質の生合成過程で必要なSAMの合成が低下するため、DNAの合成が低下や神経障害が発生します。中枢神経への作用も認められており、睡眠・覚醒のリズムを整えるのに役立つとされています。  
  b.欠乏症  
  @ 一般症状:悪性貧血、だるい、ひどく疲れる、虚弱、発育不良、蒼白、頭痛、
A 口の症状:舌が赤く腫れひどく痛む、舌がつるつるする、口内炎、味覚低下
B 胃腸症状:食欲不振、消化不良、下痢、お腹が張る
C 精神症状:憂鬱、無気力、記憶力・集中力低下、脊髄変性知覚異常、ぼける
 
  c.臨床への応用  
  神経細胞の再生や形成、修復機能が考えられており、末梢神経の治療薬として広く使われている。もちろん、ホルモンや神経伝達物質の供給にも関与しており、脂質代謝や脂肪肝の改善にも必要と考えられます。メラトニン作用を増強するため、国内でかなりの時差があるアメリカではバイオリズムの調節にビタミンB12の経口投与が行われています。  
  (7)葉酸  
  a.働き  
   DNA合成や細胞分裂にとって重要なビタミンで、プリンヌクレオチドの合成系やピリミジンヌクレオチドの代謝系、アミノ酸やタン白質の代謝系に関与しています。SAMの前の段階であるメチオニンを生成するために重要です。葉酸が欠乏するとホモシステイン代謝が阻害され、高ホモシステイン血症を招きます。高ホモシステイン血症は、動脈硬化や血栓症の危険因子である事が知られています。ホモシステインが直接血管の内側を傷害するだけでなく、活性酸素を発生させる代謝への影響も考えられています。  
  b.欠乏症  
  @ 口の症状:舌が赤く痛む、つるつるする、口内炎
A 胃腸症状:食欲不振、下痢、潰瘍
B 一般症状:巨血芽球性貧血、疲れやすい、虚弱、蒼白、動悸、息切れ、眩暈
C 精神症状:憂鬱、イライラ、不機嫌、虚脱感、不眠、忘れっぽい
 
  c.臨床への応用  
  子宮頚管上皮や結腸、結腸上皮、気管上皮における前がん性の異形成化の抑制をします。また、葉酸欠乏による巨赤芽性貧血の改善に有効です。  
  (8)ビタミンC  
  a.働き  
  免疫力を向上させることで風邪を根本的に改善します。ウィルスを不活化し、インフルエンザウィルスにも直接作用し、効果を示します。また、咳や鼻水等アレルギー症状の原因になるヒスタミンを抑制する作用があります。

皮膚や腱、軟骨など身体をつくるコラーゲンの生成にはたらきます。コラーゲンは全タン白質の3分の1を占めており、細胞と細胞をつなぐ接着剤のような役目をし、丈夫な血管や筋肉、皮膚などをつくっています。さらに、身体の酸化を防ぎ、老化や動脈硬化の予防をします。特にビタミンEと一緒に働くことで相乗効果があるとされ、LDLコレステロールの酸化を抑えて心臓血管系の疾患を予防します。また、胃液中に分泌され、ニトロソアミンなどの発癌物質を無毒化し生成を抑制する事からがん予防に有効と言われています。

血圧や血糖値を上昇させ、ストレスに対抗するため、副腎では、副腎皮質ホルモンや副腎髄質ホルモンがつくられますが、この時に大量のビタミンCが消費されます。

その他、鉄を吸収しやすい形に変化させ、腸管での鉄の吸収を促進させるので貧血の予防に寄与します。(非ヘム鉄の吸収を6倍、ヘム鉄の吸収を1.5〜2倍にします。)また、紫外線の影響を受けてメラニンという黒い色素に変わるチロシンの働きを阻害してメラニン色素の沈着を防ぐとされています。

 
  b.欠乏症  
  @ 一般症状:だるい、疲れやすい、身体が弱い、風邪を引きやすい、ストレスに弱い、
  アレルギーに悩む、血管が脆く出血しやすい
A 精神症状:ふさぎこみ、無気力、興奮しやすい、イライラ
B 口の症状:歯茎が赤く腫れ出血、歯が脱落する、歯槽膿漏
C 筋肉症状:筋肉が弱る・痛む、関節痛、骨折、痙攣
D その他:老化、がんの心配、貧血
 
  c.臨床への応用  
  細胞内のビタミンC濃度が高まると、各種障害による身体の抵抗力が高まるとされています。さまざまな発癌物質を解毒化し、がん予防に有効である事や、LDLの酸化を抑制しHDLコレステロールを上昇させ、動脈硬化を予防すると考えられます。鉄の吸収を高めたり、血管壁を強くするため貧血や易皮内出欠を防ぎます。  
  3.ミネラル  
  (1)鉄  
  a.働き  
  鉄の身体への出入りは非常に小さく閉鎖的な代謝をしています。大部分はタン白質と結合し安定化され安全な型で存在しています。タン白と結合しない少量の鉄は、活性酸素(酸化ストレス)の発生源となります。発生した活性酸素は抗酸化物(ビタミンC、Eなど)や、抗酸化酵素(カタラーゼ、グルタチオンなど)によって速やかに消失しますが、活性酸素消去系が不十分であると生体はダメージを受けます。また、活性酸素はタン白に結合している鉄を、タン白から遊離させる作用をもっています。鉄は生体の健全な機能維持に関与し、鉄欠乏では、動悸、息切れ、倦怠感、手足の冷え、月経異常等様々な不定愁訴を引き起こします。特に白血球の動きを迅速にするには、貧血があると自律神経がうまく働きません。肺で取り入れた酸素を運搬するためのヘモグロビン構成には鉄が必要となります。女性では月経血により男性の2倍も鉄の損失があるため貧血になり易いのです。食べ物に含まれる鉄はヘム鉄と非ヘム鉄に分けられます。ヘム鉄は動物性食品に多く吸収率は約10〜30%で、非ヘム鉄は植物性食品に多く吸収率は約5%以下となっています。つまり、食品の鉄含有量と鉄吸収量はイコールではありません。さらに、加齢やストレス、萎縮胃による胃内の低酸状態では吸収率が低下します。  
  b.欠乏症  
  @ 一般症状:貧血、顔色が悪い、動悸、息切れ、だるい、疲れやすい、眩暈、冷え性、頭痛、朝起きにくい
A 口の症状:舌が赤くただれ痛む、萎縮しつるつるになる、口角炎、口内炎
B 胃腸症状:食欲不振、消化不良、無酸症、お腹が張る、便秘、下痢
C 精神症状:神経過敏、注意力散漫、集中力・思考力・学習能力低下
 
  c.臨床への応用  
  様々な精神神経症状、易興奮性、集中力の低下や頭痛は鉄欠乏初期の特異的症状であり、慢性鉄欠乏性貧血は精神障害や神経障害が現れやすいのですが、一般臨床レベルではあまり知られていません。鉄は神経伝達物質やDNAの合成に関与しているため、原因不明の頭痛には鉄欠乏を疑ってみると良いでしょう。

一般治療には経口鉄剤が投与されていますが、経口鉄剤は非ヘム鉄であるため吸収されにくく、副作用として消化管症状があるため、使用を継続するのが難しいのが現状です。また、高度な貧血の場合、静脈注射や輸液が行なわれる場合がありますが、直接血管内に投与された鉄は活性酸素の発生に関与し、細胞障害をもつことが心配されています。不用意な鉄の静脈注射は鉄の過剰症を起こしやすくなります。

 
  (2)亜鉛  
  a.働き  
  体内では種々の酵素が多様な代謝を行い、スムーズに働く為の円滑油の働きをしています。亜鉛は200種類以上の酵素の構成成分として体内の重要なしくみに関わっている金属です。細胞分裂を正常に行なって新しく細胞を作ったりタン白質を合成したりする事に関わっています。そのため身体の成長には欠かすことが出来ず、成長期の子供には特に必要とされる栄養素です。あらゆる酵素の反応の中心となり、酵素タン白質の分子構造の安定化にも関与しています。不足すると、成長障害や性腺発育不全、皮疹等多彩な全身症状が出現します。また、皮膚の炎症や傷の回復時には多く使用されます。各種ホルモンの分泌とも関係していて血糖値を下げてくれるインスリンの合成や分泌、免疫機能、血液系細胞の膜の機能維持、神経伝達物質の放出や取り込みの調節もしています。代謝やタン白・核酸合成に必須の金属でRNAやDNAの合成や修復に関係し、亜鉛欠乏では、遺伝情報の伝達過程で発生するエラーの修復ができなくなります。

その他、舌には亜鉛酵素が豊富に存在しているため、亜鉛欠乏では舌の感覚細胞としての機能が損なわれ、味覚障害が現れます。

 
  b.欠乏症  
  @ 皮膚症状:肌が乾燥し荒れる、にきび、脱毛、爪の変形傷が治り難い
A 性症状:性の成熟が遅れる、生理不順、不妊
B 一般症状:発育の遅れ、食欲不振、夜盲症、易感染症、傷・病気回復の遅れ、味覚障害
 
  c.臨床への応用  
  亜鉛の急性欠乏状態では、皮膚症状が主体となる事が多く、口周囲や外陰部などに水泡や湿疹を形成し、脱毛ができやすくなりますが、亜鉛投与により速やかに反応し消失します。また、皮膚掻痒症やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患においても亜鉛欠乏を伴っていることが多く、亜鉛投与が奏効したという報告が多くあります。傷害されているミトコンドリアの機能の修復を促進するため、腎疾患や肝疾患で改善が見られる事があります。また、耳鳴りや味覚障害の改善効果もあります。創傷治療では有効性が証明されており、タン白質やコラーゲンの合成、皮膚細胞の過酸化脂質を抑制し、膜の安定化に関与していてニキビにも有効です。  
  (3)カルシウム  
  a.働き  
  骨や歯の構成成分として骨格を形成しているほか、ホルモンや神経伝達物質の分泌や筋収縮、血液凝固にも中心的な役割を果たしています。高血圧や虚血性心疾患の発症やアポトーシスにも関与しています。血中カルシウム濃度は骨、腎臓、腸管、甲状腺、皮膚、卵巣など複雑な調節機能によって保たれています。通常、細胞内のカルシウム濃度は低く保たれており、生体は外界からの刺激に対して短時間、局所的に細胞内カルシウム濃度を上昇させます。そうすることで、カルシウムを必要とする機関、筋肉、刺激伝達や酵素反応の制御などを行なっています。これをカルシウムシグナルと言います。身体の中では副甲状腺ホルモン、ビタミンD等の作用により常に血中濃度を一定に保っています。そのため、血中濃度に異常がみられた場合には重篤な病態が存在している事になります。  
  b.欠乏症  
  @ 骨筋症状:くる病、骨軟化症、骨粗そう症、骨折、歯が弱い、虫歯が多い、筋力低下、
  テタニー、手足のしびれ、痙攣
A 一般症状:動悸、遅脈、抵抗力低下、アレルギーになりやすい、動脈硬化、腰痛、
  心機能低下、高血圧、
B 精神症状:イライラ、神経過敏、興奮し易い、過緊張、うつ、老人性痴呆症
 
  c.臨床への応用  
  骨量がピークに達する25歳〜30歳頃までにできるだけ多くのカルシウムを貯蔵しておくことが老年になって骨粗しょう症を発祥させないために重要です。ピーク後の骨量は、しばらくは安定していますが40歳〜50歳頃から1年に0.3〜0.5%ずつ骨量は減少していきます。閉経前後からその後10年後では特に2〜5%という速度で減少していきます。カルシウム補給による降圧効果は高血圧全般に有効で、特に食塩感受性高血圧及び低レニン性高血圧患者で降圧効果が高いという報告があります。また、カルシウムとインスリンには強い相関があり、カルシウムシグナル機構でインスリンが分泌され、カルシウム代謝はインスリンの影響を受けます。細胞内にカルシウムが貯留すると食後のインスリン分泌反応に異常をきたすことが予想されます。糖尿病患者の多くにカルシウム代謝異常があることから近年注目を集めています。  
  (4)マグネシウム  
  a.働き  
  300種類以上もの酵素反応の補助因子として作用します。人体内のほとんど全ての酵素の活性化にマグネシウムが関与しているので、エネルギー代謝、核酸・タン白質代謝、神経興奮、血圧コントロール、ホルモン分泌など生理機能全てに関与していると言っても過言ではありません。細胞内のイオンバランスを保ち、神経伝達や筋収縮、血管の緊張性に影響を与え、心筋収縮力やリズム調節にもマグネシウムは重要な役割を果たしています。また、ペプチドホルモンや神経伝達物質の分泌とその受容体への結合に影響を与え、インスリンの作用の増強、PTH分泌抑制、ビタミンDの活性化に関与しています。カルシウム同様、血中マグネシウム濃度の維持に対しては甲状腺ホルモンやカルシトニンによる調節が行われていることも明らかです。カルシウムとマグネシウムは相互に作用して、血管の緊張性を調節しています。血管攣縮は細胞内へのカルシウムの過剰流入によって起き、マグネシウム不足では血管攣縮が起こりやすく、頭痛や心筋虚血を引き起こします。マグネシウム不足ではほとんどあらゆるタイプの不整脈が発生します。特に頻拍が発生しやすくなります。  
  b.欠乏症  
  @ 神経筋症状:手足の震え、しびれ、痛み、痙攣、運動失調、ひきつり、ぴくぴくする
A 精神症状:落ち着かない、神経過敏、うつ、無気力、集中力低下、不安、不眠
B 一般症状:疲れやすい、虚弱感、食欲不振、吐気、動悸、不正脈
 
  c.臨床への応用  
  マグネシウムが不足しがちな状態にあると、虚血性心疾患のリスクが高くなります。いったん虚血状態に陥るとさらにそれが悪化しやすく、悪循環に陥り細胞障害が拡大していくことが予想されます。普段から十分なマグネシウムを貯えておくことは組織障害の予防につながります。また、脂質代謝を改善し動脈硬化を改善します。

マグネシウムは、インスリンの作用を増強させ、インスリン抵抗性を改善します。糖尿病による合併症の発生にマグネシウム欠乏が関与すると言われ、マグネシウム投与によってグルコース不耐症の改善や合併症予防に有効であると言われています。

 
  (5)カリウム  
  a.働き  
  生命活動を営む上で最も基本的な元素のひとつで体内ではナトリウムとのバランスが重要です。カリウムを多く摂取すると降圧に有効であることが多くの研究で証明されています。これはナトリウムの再吸収抑制、尿中へのナトリウム排泄を促進することによってナトリウムの体内貯留量を減少させることによります。カリウムはナトリウムと協調して働き、細胞内外の酸塩基平衡と浸透圧の維持に関わっているため、細胞の容積を一定に保つ作用があります。静止膜電位を決定し、神経や筋肉、特に心筋の活動性に関与しています。核酸やタン白質など高分子化合物の安定化やタン白質代謝、グルコースの吸収、インスリンによる細胞内へのグルコース取り込み、また、多くの酵素を活性化する触媒作用をもっています。  
  b.欠乏症  
  @ 神経筋症状:筋力低下、脱力、動かない、しびれ、痙攣、麻痺、筋肉痛
A 心臓症状:徐脈(ときに頻脈)、不整脈、心不全、動悸、高血圧
B 胃腸症状:吐気、食欲不振、蠕動低下、お腹が張る、便秘、ガスが溜る
C 一般症状:だるい、疲れやすい、神経過敏、むくみ、不眠、脱力感、低血糖
 
  c.臨床への応用  
  降圧効果が古くから認められており、食塩の過剰摂取があっても、カリウムが十分摂取されている人では高血圧や脳卒中の発生率が低いことが報告されています。血中のカリウム濃度が上昇すると抹消血管が拡張し血管の抵抗性が弱くなるため、本態性高血圧の治療効果が認められます。また、糖尿病患者などの高浸透圧尿がみられる人では尿中へのカリウム排泄が促されます。筋の痙攣や強い疲労感がある場合にはカリウムの補給が効を奏すことが多いようです。  
  4.その他の栄養素  
  (1)コエンザイムQ10  
  CoQ10は補酵素であり、ATP合成に重要な役割を果たしています。また、CoQ10は生体内で酸化型から還元型に変化し、その還元型CoQ10は、生体膜やリポタン白質中で優れた抗酸化剤として生体を酸化ストレスから守っています。CoQ10の生合成は主に肝臓で行われ、コレステロール生合成と同様の経路を介して行われるため、低コレステロール血症ではCoQ10の不足が考えられます。特に動脈硬化、コレステロールの酸化に対し、CoQ10が有効に抗酸化作用を発揮します。抗酸化作用はビタミンEによる効果が最も高いとされていますが、充分に供給されていないとCoQ10が代わりに抗酸化機能を担います。また、ビタミンA・C・E、セレン、亜鉛、マンガン、銅などの抗酸化栄養素を円滑に働かせるためにもCoQ10が必要とされます。心疾患、先天性機能不全、虚血性心疾患、高血圧、不整脈、リウマチ性心臓病、慢性的に胃腸の弱い方、低血糖症などの代謝異常、歯周病、免疫機能の改善に有効です。  
  不飽和脂肪酸  
  細胞膜を構成するリン脂質の成分で、膜の流動性を高め、酸素の運搬、栄養素やホルモンの流通を正常に維持しています。また、プロスタグランジン類に転換し、ホルモン様作用を現し、免疫機能や炎症の調節反応、血管の収縮、心配機能に関与します。脳の神経伝達物質に関与し、正常な脳機能維持に必要です。  
  (2)EPA  
  多価不飽和脂肪酸で魚に多く含まれています。血液の粘度を下げるので、血液凝固抑制作用があります。そのため、高血圧や動脈硬化、血栓症を抑制し、肩こりや頭痛の緩和にも働きます。  
  (3)γリノレン酸  
  免疫系に関与し、Tリンパ球が正常に機能するのに必要です。抗炎症作用もあります。  
  (4)ギムネマ  
  インスリンの過剰分泌や糖の吸収を抑える働きがあり、血糖値を安定させることがせきます。そのため、中性脂肪や血糖値上昇の予防と肥満防止に有効です。